麦ノ助 n o t e s

「忙しい？」と聞かれるのは好きじゃない。
「忙しい」とこたえても「忙しくない」とこたえても、なんだかちょっぴり情けないような申し訳ないような気持ちになります。

誰でも本当に真剣にのっぴきならないくらいに忙しいときの経験があると思うけれど、そんな時は寝る時間を削り食べる時間を削り、風呂の回数も減らして、しまいには仕事場への往復時間も削って泊まり込みということになったりする。時にはそれが長期化して、深夜に帰宅したと思ったら風呂に入って着替えてまた職場へ行って切りの良いところでちょっと仮眠して、目が覚めればパンをかじりながら机に向かう、なんてのが何ヶ月も続くこともあるかもしれない。そんな「忙しい」が世間にはわりとゴロゴロとあると思えば、普通に食事が出来て夜ベッドで寝られているうちは忙しくないような気がするし、場合によってはそういう忙しさの原因の一端は自分の未熟さにあったりするわけだから「忙しいです」と言えば「出来ないやつだ」と思われるだけかもしれない。
一方、ヒマならヒマでぶらぶらしている良いゴミブンみたいに思われそうだ。それだけで罪人のような気持ちになるではないか。
そもそも「忙しい」か「忙しくないか」なんて相対的すぎます。

「忙しい」と他人に聞くのは、「いいお天気ね」というぐらい他愛のない日常の挨拶みたいなもんだとは思う。それでも人を落ち着かない気持ちにさせるとすれば、やっぱり挨拶としてはイマイチだなあ。

そう感じていながら、私は人に会えば聞いてしまうのだ。「どう、最近忙しい」。そのたびに、あーもう私ったらなんてばかばかしい質問してんだろう、と反省する。
だから、書いてみました。こうやって書いておけばやめられるかもと思ったのね。よしやめるぞ、金輪際やめる。金輪際なんて言葉はじめて使ったかも、なんだかウソっぽい。ふふふ。


というようなことを、国交省が実験的にタクシーチケットを廃止して立て替え方式にしたら、なんとタクシー料金が前年同月の10分の一になりました、という今朝のニュースを聞いて思ったのでありました。なんだよ、その気になれば終電で帰れるんじゃん。