麦ノ助 n o t e s

おじいちゃんのランが咲いた！

2010年の終わり頃に久しぶりに東京の祖父の家を訪ねた時に、大切に育てている温室のランの鉢を3つ持たせてくれたものです。その後、ひと月も経たないうちに祖父は亡くなったのでした。
ランの鉢をもらったときは、「ずーーーっと前におじいちゃんがくれた斑入りのアロエ、毎年花咲いてるよ〜」と話しながら、内心では「ランか〜アロエとはわけが違うだろうし、ずぼらなわたしには無理そうだな」と考えていました。そんな具合だからおじいちゃんが教えてくれたそれぞれの株の名前など右の耳から左の耳へスルリと抜けてしまった。
案の定、3鉢のうち一つはカラカラにひからびてしまったし、一つは霜に当ててしまいヨレヨレ、残るもう一つもどうなることやらと思っていたら、突然花が咲いていたのでびっくりしました。つぼみにも気づかなかった。ランて花屋や開店祝いなどで見かけるのはあでやかだけど、思ったよりもずっと地味で優しげで可愛らしいんだなと思いながら眺めるおじいちゃんのランです。花のないときの地味さと花の華麗な感じのギャップがランの魅力なのかもしれないな、とちょっとわかったような気になってみたりして。