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2015.01.19 Monday

絵本でひろがる

七草粥は結局しなかったけれど、鏡餅も飾ってないのに鏡開きのおぜんざいは煮ました。クリスマスで満足してしまってお正月飾りをすっかり忘れていたのですが、出歩く先々でケーチャンがしめ縄を指差しては「みかーん♡」とか門松を指差して「なーんてーん♡」と根気づよく教えてくれるので、もう少しわが家もちゃんとお正月しておけば良かったとおもいます。いっぽうきっちは「ぼくはあんこ餅が作りたいんや。お餅作ってや」とこちらも辛抱強くアピール。それでせめてぜんざいでもと小豆を煮たのだけれど、子どもにとってはぜんざいとあんこ餅では似て非なるどころかまったくの別物のようで、「あんこ餅が作りたいんや」は止みません。

ちょうど一年ほど前から『もうすぐおしょうがつ』という絵本をときどき読んでいました。絵本のなかでは、子どもたちは暮れから祖父母の家に帰省して大掃除を手伝ったり、餅つきをしたり、おせち料理の買い出しや除夜の鐘突きなどをします。お餅つきのシーンは特に子どもにとっては魅力的です。その気持ちは大人になってもよーくわかる。おばあさんが蒸籠で蒸し上げた餅米をおじいさんやお父さん達が順番に杵と臼でぺったんぺったん始めると子どもたちもわれもわれもと杵を持たせてもらっています。お餅が搗き上がるとおばあさんやお母さん達があんこを熱々のお餅で包んでくるくる丸めるのを手伝います。もちろん鏡餅もつくって台所や神棚や仏壇に供えていました。うーん、こういう経験を実際にさせてあげるのはなかなか難しいなあ。実家でももうずうーっと前から、わたしが子どもの頃から、餅つきは機械の仕事です。


もうすぐおしょうがつ (こどものとも絵本)

「このお豆どうしたの」とぜんざいを食べながらきっちが聞くので「みかん狩りの時の農園で買った小豆だよ」と答えると「ふーん」という不満げな反応。彼にとってあんこを作るイメージは絵本『おてだまのたね』に由来してます。何度も何度も寝る前の読み聞かせに登場したこの絵本ですが、ここに描かれているあんこができるまでのプロセスと言ったら!冬じゅう遊んだお手玉がほどけてこぼれた小豆を畑に蒔いて実ったのを煮ておはぎを作るというストーリーなのですから一年がかりです。あんこ餅をぜんざいでごまかそうとする母親には逆立ちしても我が子を納得させることはできそうもないが、絵本での疑似体験も経験のうちなのでどんどん世界を広げていって欲しいと思います。


おてだまのたね―秋田・向陽幼稚園の実践記録より (かがくのとも傑作集―わくわくにんげん)

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