4月にお引渡しをした木造の住宅は、2階の窓から鴨川の堤防の桜並木が見える絶好のロケーション。祖父母から受け継がれた築50年ほどのお家を、夏の暑さ冬の寒さを解消して設備も一新、これからの子育ても見越して、暮らしやすい間取りに変更したいという思いを実現するお手伝いをした。
無理な増築や改築によって痛みが激しい箇所が出てきたり(あるある^^;)、ユニットバスの壁の裏に隠れていた在来工法の浴室はなんと隣地境界のブロック塀にタイルを直貼りしたものだったり(ないない^^;)。中でも驚いたのが、斜面なりに築いた高基礎の上に敷かれた土台には、増築部分以外はアンカーボルトがなかったこと。土台がずれた形跡もなかったので、かれこれ50年、土壁と瓦屋根の重さで地震の揺れにも川の風にも耐えてきたのかと感心した。
他にも、横架材に届いてない筋違や、不朽して落ちた柱脚部分や、外壁のない増築部分や、天井裏のスズメバチの巣(現役)などなど、このあたりはもう築年数のたった木造ではお馴染みと言っても良い見慣れたあれこれである。

詳しいことは長くなるので端折るけど、違法建築ではなく既存不適格(建物が建った後に法が変わったために現行法には適法していない状態)に当たること明確にしなければならず、元々何の資料もなく築年数もわからなかったものを、ざっと年代の目星をつけて市役所で大きなファイルをたくさん出してもらってしらみつぶしに探し出したりしたのも、ここまで辿り着いてみれば思い出のひとこまである。

お引渡しの頃はちょうど窓から見える桜並木が終わり、藤の花がちらほら見え出した頃。もうこれだけで大変だったことも苦労したことも全部がいい思い出になった気がする。