高い ・・・

某日、お見積書をお持ちした工事内容について、お客様の評価がなかなかきびしく、しばらく気分が沈んだことがあった。お客様が比較の対象として示されたのが数年前の近隣の同様の工事の金額で、10軒ほどが集って一斉に発注した工事であったために値引き率が非常に高かったのもあり、全く比較にならなかった。ましてやコロナ以降の建築資材の高騰である。やむを得ないことである。

事情はどうあれ期待に応えられなかったことが不甲斐なかったし、自分の仕事や立場を否定されたようにさえ感じてしまったのだった。凹む理由はまったくないのだけれど、気分は意思とは別の動きをしてしまうもので…^^;(貧弱)

ともあれ、工務店には再度調整可能かどうかの打診をする。いつも良心的な仕事ぶりの工務店さんなので、丁寧な見積で安心感があるし、今、建築資材の高騰ぶりが予測のつかない状況であることを踏まえても、3ヶ月有効としてくれていることにも感謝である。築年数から言っても、あとからあとから不具合が出てきて不満がつのらないようにと丁寧に拾い出したのも、もしかしたら裏目に出たかもしれないが、それも長い目で見たら正直な仕事のやり方だろうと思っている。

工務店)ここへきて塗料もじわじわと上がってきてまして。
わたし)塗料もなんですね、見積の有効期限3ヶ月にしてくださってますけど、今の状況では3ヶ月先材料価格がどうなるかわからないですよ、ほんとうに。
工務店)そうなんですよ〜〜〜

建築の現場に関わる者は今、先の見通せない不安の中にいる。建築業界だけじゃないのだろうけれど。
ただいつも忘れてはいけないことは、わたしはお客様の代理人的な立場に立ち、お客様が満足し納得する工事をご案内しなくてはならない。安くても内容に不満が残れば失敗だし、内容が良くてもお金をかけ過ぎたと思われては失敗だ。内容が良く、支払う金額に見合っていると感じてもらわないと意味がない。
他の仕事中にもふとした時に、どうしたらより理解が深まるのだろうか納得が得られるのだろうかと思案する日々だった。いずれにしても平常運転で正直に丁寧にやっていくだけだけれど。